「さっぽろレインボープライド2020」について

今回のパレードは何回目の開催になるんですか?

1996年から開始して、毎年できてた訳ではなくてお休みしてた年もありながら今回で20回目の開催になります。

参加人数の方は増えてきてたりするんですか?

最初の頃は200〜300人ほどで、当時はパレードをやるかやらないかの話し合いだけで1年の期間がかかったり、運営する人の中にも、やらない方がいいとかやった方がいいとかっていう話がずっと続いてたっていう状況で、一番参加人数が多かったのが2006年に開催された10回目のパレードで1,110人となっています。

年々規模が大きくなってきているような…。

私たちがメインで活動を始めたのが、2018年の「さっぽろレインボープライド」っていう名前に変えてからになります。

名前を変えたんですか?

一番最初が「レズ・ビ・ゲイプライドマーチ」という名前で始まり、そのあとにLGBTだけではなくて、色々なマイノリティーを持った人たちにも参加してもらいたいということで「レインボーマーチ」という名前に変わって、私たちがその団体の意思を引き継いだ新たな団体ということでやっています。

今年の開催はやっぱり小規模での開催になるんですか?

昨年は歩行者天国のところに5000人ぐらいの人がいたりしていたんですけど、今年はコロナの影響もあるので、その規模でやるのはちょっと難しいかなぁということで。
去年はいろんな企業さんとか団体さんにブースを出していただいたり、関連イベントをパレードの前後に20個ほど開催したりしてたんですけど、それを今回はやらないということになりました。

去年はクラブでアフターパーティーとかやってましたよね!
今年に関してはやれることだけでも嬉しいですけど。

今年は関連イベントなどは行わず、1回目のパレードのような原点に帰るっていう意味で「自分らしく歩く」っていうことをテーマにやっていきましょうということで準備を進めています。

今回参加は予約制になるんですか?

そうですね。受付時の混雑を避けるということで、今回参加を希望する際はTwitterやホームページの方から事前に申し込みをしてくださいということで案内させていただいてます。

ガイドブックを見ているといろんな方からのメッセージの数がすごいいっぱいありますね!

今年は北海道の各市長からメッセージをもらおうということで進めていました。この動きは10年前からやっていて、今年になってやっと35の全ての市長さんからメッセージをいただくことができました。

北海道の全ての市長さんからメッセージをいただくのはすごいですね!

それぞれの市でどういう取り組みをしているかということについてコメントをいただいた市が22あって、意外と私たちも知らない取り組みを行っている市もあって、そういうのは私たちの方でもぜひ発信していきたいなぁと思いました。

私は函館出身なんですが、地元でもセクシャルに関して話し合う場とかが徐々に増えてきているのを実感してて嬉しいなと思います。

函館はもしかしたら来年パレードやるかもしれないね。

そうですね!最近函館はすごい活動的になってきてるんですよ。
もしかしたら一番動いているかもしれない。

やっぱり北海道は大きいので札幌だけじゃなくて、市や各地域でパートナーシップ制度だとかLGBTの活動だとかをやっていければいいのかぁと思います。


(「さっぽろレインボープライド2020」のガイドブックを見ながら)「アライ」っていうのはなんですか?

「アライ」っていうのはLGBTの当事者ではないんですけど、支援だったりそのような活動に一緒に協力してくれる人のことを指します。

札幌市では2019年10月に「アライマーク」というものを作って、「LGBTの方達を応援します」っていう取り組みをしています。でもまだなかなか世の中には認知されていないので今回ガイドブックの方に掲載させていただきました。

これは欲しいってなった場合、市役所に行ってもらうってことですか?

これはステッカーやバッチがあって、例えばLGBTに関する講演会やセミナーに行ったらもらえるというもので、ただでもらえるというものではないんです。

これは初めて知ったかもしれない。

これはすごいレアですよ。講演会にきた人とかに配っているものなんですけど、その講演会も市役所の方向けのものばっかりなので一般の人で持っている人はほぼいないと思います。

でも、パレード当日は数量限定で「アライ」のステッカーを配布します!

ほんとはこの「アライマーク」もガイドブックに掲載すること自体NGだったんですが、僕らの方でぜひ宣伝したいということで特別に許可をもらって、当日も数量限定ですがステッカーを配布させていただきます。

この「アライマーク」はぜひ皆さんに知ってほしいですね!

「アライ」の人が最近すごく多くて、こういうのあったらほしい人っていっぱいいると思うんですよね。

そうだね。去年から「アライ」の人にもパレードの実行委員に入ってもらっていて、今年は16人中2人の「アライ」の方に実行委員として活動してもらっています。

ガイドブックに載ってる「全国プライド団体からのメッセージ」っていうのは?

札幌以外にも私たちと同じような活動をしている団体がいっぱいあって、その人たちからの応援のメッセージになっています。

レインボーパレード自体やっていることを知っている人って少ないと思います。

確かにそういう当事者の方もいるかもしれない。

東京でしかやってるイメージがないっていう人も結構いますよね。

だからまだまだこういう活動を広げていかないとダメですね。今年は20回目の開催ということで盛大にやりたかったんですが、コロナの影響があるのでできないこともいっぱいありますが…、来年はすごいよね?(笑)

もう来年は爆発ですよ!(笑)

楽しみ!
他に今回のパレードについては何かありますか?

今年は規模を縮小しての開催ということで、この状況なのでいろんな意見がありますが、その時の状況に合わせてこれからも開催していきたいと思います。でもやっぱりパレード自体をなくすことって考えられないですね。なんと言ってもパレードはイベントの一番のメインで、パレードなくしてイベントはないと思うので。

パレードを見てもらって知ってもらえるっていうこともありますしね。
初参加なので楽しみにしてます!去年は参加できなかったので!


あとはガイドブックに載っていることに変更があって。まず会場は大通西10丁目広場に変わっていて、開場・受付時間が11:30、パレードのスタートが14:45に変更になっています。そして会場が変わったのでパレードのコースも変わっていて、こちらはホームページやTwitterに掲載しているので確認してください。

今回もテレビ塔は虹色に光るんでしょうか?

光ります!

わぁ〜!それが見たかったんです〜!

19:00から21:00ぐらいですね。

雨の場合は決行するんですか?

テントが吹き飛ぶぐらいの台風じゃない限りはやります!
2018年の時は台風が直撃して…

えっ、どうなったんですか?

やりました!(笑)

(2018年のパレードの写真を見て)ほんとだ!天気悪そう!

でもパレードの日はあまり晴天っていうのはあまりなくて、雨とか台風になるんだけど、パレードの時にはなぜか晴れるっていう。今まで20回やってきて一度も中止になったことがない…、っていう圧力もあって。(笑)

やらざる得ないという。(笑)

台風だった時もその年は1ヶ月前に北海道胆振東部地震もあって、開催をどうしようか考えてて。先輩に相談したんですが「晴れるからやりなさい」と。今年はまた状況が違うのでどう開催していこうかという感じだったんですけど。

今年はマスク必須ですね!

そうですね。参加者は全員マスクをしてもらって、受付で検温と手指消毒をしてもらいます。あとは皆さんそれぞれ思い思いの服装できてもらって自分らしくパレードに参加してもらえればと思います。
LGBTの現状、今後の課題について

それこそ札幌のパートナーシップとか言いやすい世の中になったになったんじゃないですか?

2015年に日本で初めてパートナーシップ制度が渋谷でスタートして、札幌は6番目に出来たんだよね。
当時は少なかったんだけど政令指定都市では国内初という事もあって話題になったかな。
そこを1つの皮切りに各地域にパートナーシップ制度が広がっていったんだよね。

パートナーシップは日常生活において結婚に近い感じですか?

近い感じだけど海外と比べるとまだまだですね。

海外では同性婚が認められてるけど日本はまだまだですよね。
東京で同性婚を認めてもらうための活動もありますよね?

一応パートナーシップ制度が2017年に札幌に出来て今年でちょうど3年なんだけど、最近になって100人超えましたね。

新聞に取り上げられてましたね。

札幌市のパートナーシップ制度は2人のどちらかがLGBT当事者であれば性別に関係なく利用出来るので、適合手術を受ける前でも申請出来るようになっていて実際男女でその制度を利用してる人たちもいます。

そうなんですか。3年前なんですね。

その前は女性と女性、男性と男性というような同性パートナーシップ制度が多かったんだけど、札幌が初めて性別にとらわれない形でスタートしたんですね。今は他の地域でもそうなってきてますが、札幌で始まった時は話題になりましたね。


私の地元ではそういった事を知る機会がなかったですね。札幌に来ていろいろ知る事ができました。制度がしっかりしてたりパレードがあるのは良いですよね。

北海道では札幌市しかパートナーシップ制度が無いので、札幌市に住んでないと制度を利用出来ないのが現状です。
でも札幌に住んでない人でもこの制度を利用したい人はたくさんいるから、私たちが活動する事によって北海道全体に広がっていけば良いと思います。

そうですね。

そのためには札幌市だけじゃなくて、市町村の方々の理解や制度の充実というのが大切かなと。なのでパレードを通して少しづつ形に出来れば良いのかなぁと思います。

少しづつですね。LGBTで悩んでるみんなに参加してもらいたいです。

あと、最近思う事はパートナーシップ制度等が出来てきて、LGBTがメディアに取り上げられて理解が進んでいると思うけど、その一方で地方の制度が確立してない地域に住んでる人たちは、カミングアウト出来なかったり、生き辛さを感じたり、いじめ等で孤立してしまったりしてる人は昔と変わらずまだたくさんいると思う。
その差をすごい感じていて、そういったところもしっかりと考えながら進めていく必要があるのかなと思います。

パレードに参加したいけど顔出ししたくない人たちもたくさんいますよね。

実行委員のなかでも顔出ししたくない人もいるし、カミングアウトするのが正しいという事じゃなくてそれぞれの価値観や立場、環境もあると思うので気持ちに寄り添う事が大切だと思う。パートナーシップ制度を利用して職場にばれてしまうのではないかと考える人たちもたくさんいて、とても嬉しい精度なんだけど、でも実際制度を利用出来る人がたくさん居るかといったらそうではないという現状はあるのかなと。制度もまだまだ完璧じゃないし、もっと現状を知ってもらう必要があると思います。

今は制度がもっと良くなってから利用したいという人も多いはず。

制度を利用したからといってまだメリットは無いのが現状かな。お守りみたいな。まずは制度をみんなに利用してもらって、需要があるという事をもっと行政の人たちにわかってもらい理解を広げる必要がありますね。

そうですね。

今後はさっき話してたように札幌を拠点に活動してる「さっぽろレインボープライド」をパレードに関わらず関連イベントなどを北海道全体に広げていきたいですね。全国のLGBTの活動している団体が情報をシェアしている「全国プライドネットワーク」が去年から始まってるので、連携をとりながら全国で広がっていけば良いなと思います。札幌は昔からパレード等もやっていて日本で最長の歴史もあるし、他の地域では出来なかった事を行ったりもしているので道外からも期待して頂いてるので、札幌から全国に発信出来るような情報とか活動内容を発信していきたいと思いますね。

さっぽろレインボープライド2020

日程: 2020年9月12日(土)
時間: 開場 11:30 パレードスタート 14:45
場所: 札幌市中央区 大通西10丁目広場
Official Web Site
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miyuki Profile.

miyuki



札幌 KING XMHU DJ
母がペルー、父が日本人のハーフ。
bisexualであり、誰もが自分らしくいられる街に、LGBTのイベントにも積極的に参加しています?