ボーイズユニット「NORD(ノール)」の安保 卓城と、シンガーソングライター・Takumadropsによる対談。
幼少期をともに過ごしたあと、別々の道を歩み、十数年ぶりに再会を果たした二人。
現在はお互い違うフィールドで活動する二人が、自身の活動や二人の活動に関する共通点について語った。
ともに過ごした幼少期から再会

小中が一緒でさ、小学校の時は特に仲良かったよね!

小学校の時はあの家も近くて。一緒に帰ったり、荷物置いて遊びに行ったりとか。俺が(安保のことを)タックって呼んでて、タックの家に遊びに行ってる方が多かったね!

前にご縁があって、たまたま共通の友達に招待して頂いて、タクマ(Takumadrops)のLIVEに行って会ったときが何年ぶり?中学校の時は正直そこまでタクマとそんな絡んでないから10年、20年?

いや、20年は盛りすぎ!(笑)

盛りすぎか!(笑)まぁでも10年以上振りに再会して。

本当に中学校卒業してから会ってないもんね。
本当10年ぶりくらいか。

そこでLIVEを見ながら「そういえばタクマと小学校の頃すんげえ仲良かったなぁ〜」みたいな。

なるほど。(笑)

その頃からピアノやってるの知ってて、小学校の頃やってたじゃん。

3年生ぐらいからだね。

だよね。そういう感じでタクマとの思い出を振り返りながらあの時LIVEを見てて。
小学校の時はめちゃくちゃ仲良かったよね。

なんか毎日のように遊んでたというか。

中学校からはクラスも増えて、クラスが違うとあんまりね。部活動とかも始まったりして、あんまり会わないっていうか。卒業してそこからは全くないもんね。

そう。ないんですよ。
ちょっと話飛ぶんだけど、元々(安保は)「アオタガイ学園」(※1)でNORDになって...
※1 2015年10月2日から2016年3月25日まで札幌テレビで放送されたオーディションドキュメンタリー番組。

そうだね。

実は俺も「アオタガイ学園」に応募しようかと一瞬思ったことがあって。(笑)

え〜!マジで!?

あれ高校生くらい?

あれ高校卒業の時だから。

結果応募しなかったんだけど。その後「アオタガイ学園がどうなっていったのかな?」って追ってた時に急に卓城出てきたの。(笑)

そうだね、この「安保卓城」っていう名前はたぶん日本に俺しかいないからね。(笑)

びっくりして。だから、もし応募して上手い事いってたら、そこで会ってた可能性もあったのかなぁとかね。

あぁ〜、そうだったんだ!

だから、それで「卓城今こんなことやってるんだ」みたいな。「めっちゃ頑張ってる!」と思って!

小学校からずっとサッカーやってて、高校の時も北海道の中の強豪の学校に推薦で行って「将来は体育系の仕事に就くんだろうなぁ」って。そう思っていた時に、サッカー部がオフのタイミングで「アオタガイ学園」のオーディション番組の中でスカウトされて。

あぁ〜、なるほど。

芸能界に興味なかった訳じゃないんだけど、声かけられて「受けてみないかい?」ということでオーディションを受けてみて、最終的に賞とって。賞取ったメンバーでクリエイティブオフィスキュー、ソニーミュージックに所属して、なんかNORDっていうグループが組まれて。(笑)それからほんともうすごいスピードで進んでいったの。

いや、スピード感すごいなぁ〜と思ってたわ。端から見てても。


俺も芸能界の事をよく分からないまま、どんどん話が進んで今に至るみたいな感じでね。でも、その時は正直小学校から仲良かったタクマがどうなったとか俺はわかんないから。

そうだよね。「音楽で生きていきたいな」っていう気持ちは中学生くらいでもう固まってて。

そうなんだ。

元々小3くらいからやってたけど、とりあえずなんとなくやってたものが「自分はこれかもしれない」って思って。高校に入ってからは逆にできなくなっちゃって、そういうこともあったから卓城が活躍している姿を見て「すげぇな」って思いながら、すごい刺激もらってて。そのあと大学行ってからはどっぷり音楽に浸かれるような環境になったりとか。札幌で演奏の活動をさせてもらえるようになったりっていうのがすごい広がっていって。今は東京に拠点があるんだけど。で、帰ってきて卓城と再会するっていう、なんかすごい感慨深かった。

確かに。

あの時はライブ観てもらって、俺がやってた側だったんだけど。ずっとSNSとかテレビとかもそうだし、卓城の姿を見てたからなんか面白いなぁと思って。

本当にね、こういう形でまた再会するなんてね。俺もNORDっていうボーイズユニットの1人で音楽活動もしてるから。

そうだよね。

歌ダンスもライブもしてて。で、個人としてやりたいことをメンバーそれぞれやって。俺はテレビのタレントリポーターとかMCとかをやっていきたいっていう気持ちがあって今やってるけど。

なるほどなるほど。

こういう芸能界というかアーティストが幼馴染にいるみたいなことないもんね。

ないない。本当唯一に近い、しかも同級生だし。小中一緒だったっていうなんか本当レアというか貴重な存在だったから。俺はシンガーソングライターとしての活動を今年から始めて、去年までは割とキーボーディスト、ピアニストとかっていう立ち位置で色んなアーティストさんのバックで弾いたりとか、レコーディングに参加したりとかっていう活動がメインでやってたんだけど、まあそういうなんか色々活動していく中で、昔から曲を作ったりとかはしてたんだよね、小学生の頃から。

なんかCD出してたみたいな、ピアノの。

そうそう。

それはちょっと聞いたことあった。

そうだから小学6年生の頃か。の時の自由研究で曲作ってったことがあって。
教室にCDラジカセあったじゃん?それで聴いてくださいって。

小6で曲作ってたの?

ピアノだけだけどね。

すごいなぁ。

やっぱり曲作ることが好きだったから。だから去年とかも色んな現場でサポートミュージシャンとしてやっていく中で、より「俺も自分の作品作りたいなぁ」とか、プラス歌だったりとか。歌に関しては今まで取り組んでこなかったことなんだけど、さらにもっと挑戦して、今まで自分がやってきたピアノで得てきたものを混ぜて作品にできてたらっていう気持ちが強くなってきて、今年ようやく動き出せたっていう感じだから。

いや、聴いたよ。「ユレる、ユラリ」

ありがとうございます。宣伝してくれてたでしょ!

したした!いや、めっちゃよかったよ!

すごい嬉しいし、あれを機にフォロワー増えました。(笑)

やっぱ同じアーティスト活動してる仲だから。最初ってやっぱ厳しいのも知ってるし、まずはこういうのって知ってもらうことから始まるわけじゃん。

だからやっぱりフォローしてくれる方とかもいる中で、やっぱその人たちの印象としてはピアノ弾く人だから今は。で、「今年からシンガーソングライターやります!」って言って、本当にスタートし始めたばっかりというか。そういう感じのタイミングであえて宣伝してくれて、NORDファンの方々とかもフォローしてもらったりとかしてすごいなんか愛があるなぁと。

いやいや、そこはね。NORDも俺もまだまだなんだけど、やっぱりまず知ってもらうっていうのが大事で、厳しいのは俺も知ってるから。
当時1年目、2年目の時は狸小路でビラ配りしたりとかしてたし、ひたすら北海道内の色んなお祭りに回ってライブ活動して、ビラ配って、CDとか売ったりとかして。フリーライブをやって知ってもらって、どんどん箱も大きくしていって。その中でテレビ出演や舞台、歌など、個々のメンバーそれぞれがやりたい分野を広げていって。今はやっとちょっとずつお仕事も頂けるようになってきてね。

今大忙しじゃないですか!

いやいや、ありがたいですよ。レギュラー番組もNORD全体でテレビ・ラジオ含めて7本あって色々やらせて頂いているので。

いやぁ、すごいな。

こういう俺とタクマの縁でもあるからさ。これでNORDファン方がタクマのライブに行ってみたい、逆に「タクマの友達なんだ」ってNORDのこと知ってくれたり。こういうことができるからいいよね!

そう、だから俺もね本当に色んな人にお世話になってるし、こういう改めてのご縁もあったりするじゃない?だから今シンガーソングライターという意味では本当に走り出しって思うから。でもなんかちょっとでも自分がこうくじけずに続けることでなんかちょっとずつでもこういう風に恩返しできればいいなとも思うし。すごい嬉しいっすわ。

なんか心強いよ、俺も。俺本当にさ、プライベートでも友達少ないのよ。今回はプライベートではないんだけど、でも今俺は幼馴染のタクマと喋ってるから。(笑)

プライベートに近い。(笑)

ほぼほぼね!正直俺はタクマがそのTakumadropsとしてやってるのを知らなかったからね。でも、共通の知り合いがきっかけで知ることができて本当によかったと思うし、今回こうやって対談できたのもすごい嬉しいしね。

いや、こちらこそだし、なんか思いがけずだったから。「ここで繋がるんだ!」みたいな。
お互い違うフィールドで活動する二人の共通点

気づけばね、今年26歳になる訳でしょ?

やばいっすよ。(笑)結構誕生日来るたびに焦るから。

この仕事してたら誕生日がほんと嫌いになるんだよね!最初はさ「若い、フレッシュ!」みたいな感じだったの最初は。でももうメンバーも年取ってくし、取り柄がどんどんなくなってくから。(笑)

そんなことはない!(笑)

日々成長していかなきゃいけないっていうプレッシャーとかね、重圧があったり。あるから大変だけど、でもやっぱりこういう音楽活動って、それこそ格好つけた言葉で言うと人を魅了したり、人を元気づけたり、人を癒したり、そこに魅力を感じるというか、やりがい、生きがいを感じてくるからこうやって音楽で涙を流したり、俺が手を振っただけですっごい喜んでくれたり。俺はずっと一般人で、逆だったからさ。俺はもうゆずが大好きで。

あ、そうだ。覚えてる!

ゆずが大好きでゆずのファンクラブ今も入ってて、今もライブ行ってるけど、ずっとお客さん側だったから。それがステージ立った時にそれだけで喜んでくれてね、そう感動してくれて、心が動いてくれるっていうのが「この仕事しててよかったなぁ、もっと頑張んなきゃなぁ」とかね。

そうだね。

テレビを見て笑ってくれた、元気貰えたとかね。そういう面では同じだからね。

俺も去年は結構大きい現場でサポートという立ち位置でやらせてもらう機会がすごく多かったから、すごい同じこと感じたというか。もちろんサポートっていう立ち位置なんだけど、そこも含めてファンの方達は愛してくれてて、自分たちがこう一生懸命演奏することで喜んでくれたりとか、リアクションを返すこととかだけでもすごい嬉しそうで。音楽の場合、今は規制が外れてるけど、去年1年間とかは声が出せなかったから。

そうだよね。

そう。けど、声出せないんだけど見たらわかるというか。

わかるよね。俺もそうだったもん。

伝わってくるものがあって、そういうこと感じたのは結構初めてだったから。

刺激になるよね。

うん、そういう規模感で結構初めて感じることが多かったから、そういうのもあってより俺も曲作りたいなって思ってきて。

で、こうやって自らシンガーソングライターとして曲作って自ら歌ってっていうね。すごいと思うなぁ。

だからもう本当に修行ですよ今は。

まぁね。俺もまだまだ修行ですけども。タクマはシンガーソングライターになろうと言って決意をしたわけじゃん?それはどういう思いで?

さっき言ったように1番最初は曲が作りたいっていうのがあって、実際にそのピアノだけでさ1本で曲を作ったりしてみたんだけど、より多くの人に聞いてもらいたいっていう気持ちもあって。そうなった時に歌とか歌詞が曲に乗っかっているものの方がより広く聞いてもらえるんじゃないかっていうめっちゃ安直な考えなの最初は。

なるほど。

今は難しいことなんだけど、やっぱり自分が音楽やってるのって1番最初に音楽を聞いた時にすごい心が震えるというか、悲しいことでも楽しいことでもいいんだけど、その時に音楽でよりその感情を増幅させてくれたりとか、涙流したりとか、そういうことってすごく心が浄化されたりとかするじゃない?

そうだね。

自分も実際にそれを感じたことが「音楽やりたいな」って思ったきっかけだったから。おこがましいことでもあるんだけどね、人を感動させられるようなとか。でも自分がそういうのを続けていくことで、重たい気持ちが軽くなったりとか「明日も頑張ろう」とかちょっとしたことで良くて、そういうことができたらいいなぁって思って今はやってるかな。

やっぱり音楽ってあるもんね。そういう近くにあるというか。

目に見えないめちゃくちゃ大きな力があると思うから。自分も不思議だしね、音楽聴いて心に突き刺さって気づいたら泣いてるみたいな。だからより良い音楽を自分が追求していくことで、少しでもそういうことが実現するんだったら、それ以上に幸せなことはないなぁと思って。

そうだよね。タクマは小学校からピアノで曲を作ったりとか、それからずっと好きな音楽と向き合ってやってきたらサポートメンバーとしていろんなステージに立つようになって、そこからまた自分で自ら形を生み出すっていうのがそれは本当すごいことだし、またここで歌に挑戦するっていうのもたぶん結構な決断だったんじゃない?

そうだね。なんとなく「曲作りたいなぁ」とか「歌歌いたいなぁ」っていうのはあったんだけど、って言ってるだけで行動してなかった自分がいたことに気付いて「何やってるんだろう」ってすごく感じさせられる瞬間が去年特に多かったんだよね。だから、やっぱり気持ちがマイナスな方向にいく事もあって。でもそれって自分がやってないからであって。

そうだね。

改めて何がやりたいのかってこう自問自答したときに「やっぱ歌歌いたい」って思って。そういう瞬間があったから。

タクマはそうやって曲をね作ったりとか、自ら歌ったりとかしてそういった何だろう、心を動かすような作り出したいって思ってるけど、俺は逆に自分から生み出すことは正直できないから。俺は曲を作れる訳でもないし、絵を描くとか、自ら作るっていうことは俺はできない。

なるほど。

音楽においても、何に対してもできないから。俺はNORDとして新曲ができたら、それを歌って、踊って、お客さんに伝える。リポータとして「この場所はこうなんです」っていうのを伝えるっていう、俺は作り出すよりも伝える仕事。タクマだったらどっちもなんだけどね。

そうかもね。

俺の難しさってそこでどうやって「お客さんを元気付けたらいいのか?感動させれるのか?」っていう難しさがあるんだよね。それこそ俺の生い立ちだったり、いろんな経験を含めてのリポートとか、そんなの正直テレビ見てる人にはわからないじゃん?でも俺はリポーターだったりとか、パフォーマンスでお客さんにちょっとでも面白いとか「この人見てたら元気出るわ」みたいな。そういうのをどうにか伝えていきたいなって。
安保 卓城(NORD) Profile.

「北海道を拠点に様々なエンターテインメントに挑戦する」というコンセプトのもと、地元テレビ局で企画・放送されたオーディション番組を経て、2016年に結成されたボーイズユニット「NORD(ノール)」のメンバー。メンバー全員が北海道出身であり今なお在住。
2017年のNORDデビュー1周年ライブ公演のチケット即完以降、和太鼓やヲタ芸、タップダンスなどのエンタメに挑戦する「NORDチャレンジ」に挑みながら年々ライブ活動の規模を広げ、2022年には東京・大阪・札幌の3都市で初の全国ツアーを開催。
北海道内のテレビ・ラジオ番組、CMに多数出演。 2022年には第26回参議院議員通常選挙のイメージキャラクター、JR北海道快速エアポート「Uシート」イメージキャラクター、マイナンバーカードナビゲーターも務める。
個人では、舞台「ナミヤ雑貨店の奇蹟」に出演。HTB「イチモニ!」ではリポーターを務め、TVh「きたサバ!北海道でサバゲーやってみた!」のメインMCを務めるなど幅広い活動を行っている。
【NORD】Official Web Site
NORD第1回演劇公演「Error」
NORD初の演劇公演が決定!
■公演日程:2023年5月31日(水)~6月4日(日)
5月31日(水)19:00
6月1日(木)14:00 / 19:00
6月2日(金)19:00
6月3日(土)13:00 / 17:00
6月4日(日)13:00 / 17:00
■会場:札幌文化芸術劇場hitaru クリエイティブスタジオ(札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ3F)
■チケット料金:5,000円(税込/全席指定)
■チケット一般発売:2023年5月6日(土)10:00~
ローソンチケット
Takumadrops Profile.

北海道札幌市生まれ、シンガーソングライター兼ジャズピアニスト。
9歳の頃から独学でピアノを始める。
2011年サッポロシティジャズ「パークジャズライブコンテスト・ファイナリスト」に選出。
2021年5月より活動拠点を札幌から東京に移し、日本各地のジャズミュージシャンと共演を重ねてジャズピアニストとしての研鑽を積むと共に、大橋トリオ・yama・爽などのポップスサポートや、ファンク、フュージョン等多ジャンルのライブやレコーディングに参加。映画音楽や舞台作品の楽曲制作・音楽担当など幅広く活動。
2018年からは「Takumadrops」名義にて自身の活動を開始。
2019年10月「clear - Single」、2020年5月には「エンドレスバルーン - EP」を共にデジタル配信限定でリリース。
aiko・星野源等のドラマーを務める神谷洵平主催 Make Some Recordsのプロデュース募集において多数の応募の中から選出。
2022年12月「ユレる、ユラリ」のリリースを皮切りに、本格的にシンガーソングライターとしてのデビュー。
Official Web Site
Takumadrops「春の雨に流れる」
ダウンロード・ストリーミングはこちら
FIRST ONEMAN LIVE「Takumadrops」

"春の雨に流れる レコーディングメンバーによる初東京ONEMAN"
日程:2023年7月2日(日)
会場:WALL & WALL(東京都港区南青山3丁目18-19 フェスタ表参道ビルB1F)
時間:開場 17:00 / 開演 18:00
料金:2,500円+ドリンクオーダー
出演:Takumadrops、須長和広(b)、古舘賢治(gt)、高橋直希(ds)
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