湊祐介と申します。秋田県出身でここ士別には約１年前に来ています。スキー競技のノルディックを約１５、６年やってまして、本職としては市議会議員をやらせてもらってる中で活動しています。

石川陽介と申します。もともと士別市出身で３年前にUターンをしまして、今は「ゲストハウス&カフェバー エストアール」を経営してるのと、あとは湊さんと一緒で市議会議員を今年から務めております。

物心ついた時にはもうスキーを履いてたんですよ。多分親の影響で履かされてて、滑れないけどスキーを履いていた記憶がありますね。まぁ田舎だからそれしかやることがないっていうことなんですけど。競技自体は中学校から始めて。

はい。でも、みんなからしたら遅いんですよね。みんなは小学生の頃から始めて、段階踏んで中学校に上がってって感じなんですけど、私は遅くて。中学校から始めて、高校に上がる時に「よし本気でやろう」みたいに思ってやってるような流れになってますね。

高校から成績も徐々に出始めて、その頃からですね。「オリンピックに出たい」って思ったのは。

やっぱり憧れとしてたのが今長野県の市長やられてる荻原健司さんって方なんですけど、その方がちょうどアルベールビルオリンピックの時に私その映像見てて金メダル獲ったシーンを見て「俺もこれになるんだ」って思って。それからずっと追い続けて、大学もそのまま進んだんですが、思ってたよりも全然成績でなくて。

自分的にはもうちょっとワールドカップとか上の世界に行きたかったけどなかなかこう足踏みしちゃって。なんとか就職先でオファーを貰って続けることができて、１年くらい全然成績出なかったんですけど、社会人２年目の時に少し成績が出てワールドカップで世界を点々とできるようになって。２００９年に世界選手権出ることできて、団体で金メダル獲ることができました。

そうです。

２００９年、忘れもしません。（笑）

そこから２０１０年のバンクーバーオリンピックに出ることできて、やっと夢が叶ったと思ったんですけど、次は「メダルが獲りたい」ってなって、もう1回チャレンジして、４年後のソチオリンピックにまた代表として選ばれたんですけど、残念ながらメダル獲ることができなくて、それでも諦めきれずにず〜っとやってて...、結果的に今に至るんですけど。（笑）まだやってるっていう。（笑）

ただ、ずっとその思いは継続してやりたいっていうのと、若手に自分の背中を見せて、自分のやってきたこと伝えたいなっていうのがあって、ずっとやってるような感じになりますね。

私の場合はメダル獲った時って全然実感なくて。「そっか〜、俺メダル獲ったんだ〜」と思ってその日普通に寝たんですよ。次の日に日本に帰れる訳じゃなかったのでそのまま２ヶ月くらい遠征してて、３月に日本に帰ってやっと。「あ〜、獲ったんだね」って。（笑）

中学校、高校は秋田で、大学で東京にいった感じですね。

本当はずっとスキー続けてたかったんですけど、ふと「このままやってたらダメじゃないか？」と思って。第２の人生考えた時に今までやったことないことをやりたくて。たまたま今の会社の社長さんと知り合いで、相談してみたところ「じゃあうちに来てみたら？」と。
土木とかやってたんですけど、「お前だったら多分スポーツの方が向いてると思うから、それにあったものを今後探していけばいいんじゃないか？」って。とりあえず１年間やってみて、蓋を開けたら市議会議員をやっているという。（笑）

なかなかそこからの展開がすごいですよね！波乱というか嵐のような１年間。（笑）

スピード感すごいですよね。（笑）

さすがジャンパーですね。（笑）

とりあえずチャレンジしてみる。その精神しかないですね。

ありがとうございます、うまく振ってもらって！（笑）

もともと３年前までは札幌にいたんですけれども、豊平区に「waya」っていうゲストハウスがありまして。そこに遊びに行くきっかけができてから何度か遊びに行ってたんですけど。そこに旅人や地元の人、宿のスタッフさんもいて、その関係性がすごくポジティブな空間になっていて。立場関係なく、そこにいるみんなの会話のキャッチボールがすごく温かくて「この空間を地元にも作れたら」ってボヤッと思ってて。

それで２年ちょっと前くらいに士別市にUターンをしてきて「ゲストハウスやってみたいんだ〜」って話を地元の役所の方とか、地域おこし協力隊って人たちにしてたら情報があって。この旅館がなくなって、建物が取り壊されてしまうかもしれないって話を聞いて、そこの元女将さんにゲストハウスをやりたいって事を伝えたら「せっかく士別のこと思ってるんだったら譲るよ」って話をしてくださって。建物は取り壊しをしないで済んで、今はそこを改装してゲストハウスをしているっていう感じですね。

逆にすごいね！（笑）

僕も嵐のような展開になってますね！（笑）

高校までは地元の士別の学校に通っていて、そこから進学で札幌にいって、紆余曲折あって大学を辞めたりとか。僕もスポーツをずっとやりたくて、ずっと考えてたんですが全然なれなくて。でも、同い年の人たちが大学卒業の時にたまたまスポーツの施設に就職することができて、そこから「やってみたいことってできるんだ」みたいな事を思って。そこから今後の事を考えた時に「士別市との関わりを持ちたいな」と思って、それから広告の営業マンになって。

広告とか広報とかそういったところで「遠くにいても地元の手伝いできるかな？」とか、もしくは帰ってからそういう手伝いができるかなって思って、その広告業界に進んで。そこで３年間勤めた後に、たまたま士別市に地域おこし協力隊っていう制度があって、それまでは農業とかあとは羊の飼養って分野しかなかったんですけど。僕が帰る前の年にたまたま観光っていう分野ができて、そこでその地元の観光情報の発信とか、地元の観光の資源の深堀みたいな事がミッションとしてあったので「もうこれしかない」と思って応募しに帰ってきたと。

確かに。（笑）

普段から見てて（湊さんは）僕よりもなんか行動派というか。常に前に進んで行ってるからすごいなあって。

いやいや、全然湊さんの方がよっぽど凄いと僕は思うんですけど、でも多分似てるとこはあるなぁって思ってて。僕は湊さんを見ていて物腰柔らかだけど、芯があるみたいな。特に好奇心旺盛ってところが似てるなぁと思うんですけど。だからやってみてダメだったらしょうがないし、それが成功すれば成功だし、それぞれ捉え方あっていいんじゃないって感じ。

そうですね、それが似てるかもしれないですね。

いや、そこが今めちゃくちゃ悩んでるんですよね。僕はスキーしかやってこなかったから、他の人からしたら「遊んでる時間もないだろうし、なんでそこまでやるの？」思われることもあったんですけど、それすらなんか楽しいみたいな。競技にのめり込んでる時間がすごい楽しくて、オリンピックを目指した時も「やりすぎじゃない？」っていうぐらい言われてたけど、自分にとってはなんかその時間が楽しくて。

「これぐらいだったら別にやってもいいよ」みたいな。で、どうしようもなくなった時って誰か助けてくれるんですよ。

なんか運がいいのかわかんないですけど。だから何が１番辛かったんだろうなって正直思っていて。困った時は誰かが関わってくれて、選択肢を与えてくれるというか。今までとりあえずですけど、なんとなくできてきたっていうのがあって。苦労してるとしたら本当に今かなって思う。（笑）

今それこそ市議会議員になってですか。で、まずわからないことがわからないから、何から掴んでいけばいいんだろうっていう。「これをやったとしても何になるんだろうなぁ」とか考えて。これから勉強していかなきゃいけないと思うんですけど、今は１番頭使ってるかもしれないです。

いや、めちゃくちゃしんどい時あったんですけど、それちょっとここで言うのもアレなんで…。

ゲストハウス自体は自分がやりたいことで、DIYでリノベーションをしてたんですけど、全然苦じゃなかったんですよ。いろんな方々にお手伝いしてもらったりとか、アドバイス頂いて。地元の農家の方とかが「手伝うよ」って言ってくれて、それがなんかもう本当泣きそうになっちゃって。（笑）すごく地元の人たちの温かさを感じました。その準備期間はもう全体として人に支えて頂いて、心が何かこう豊かになった期間でした。

そうですね。

僕からしたら士別にきてまだ１年だから、歩いてても知り合いに会うことがないんですよ。だからすごい羨ましいなぁ。（笑）

いやいや。でも、仲間達と話をしていて「湊祐介、いい男だわ」みたいな話になるんですけど、「絶対ファン増えるからお前次負けないように頑張れよ」みたいな。（笑）だからすぐ士別の人達も湊さんのこと認知しているので、いい関係がどんどん築いていかれるんじゃないかなって思ってます。

そう言ってもらえると自分も頑張れますね。（笑）

実は士別に小さい時から合宿等できてたんですけど、この地域を見てて急激に人がいなくなったりとか、今まで行ってた商店街がシャッター街になっててすごい寂しいっていう気持ちがあるのと、せっかく街でスポーツっていうのを打ち出してるのに、そこまで地域の人に認識されてない。市側としては打ち出してるけど、トップ選手とか有名な人とかきてるのに「全然関わりが持てないんだけど」っていう話がすごく多くて。
もっと子供達も高齢者の方々とも近い存在になってもらって、より楽しみを増やしてもらいたいというか。子供達には夢を持ってもらいたいし、高齢者の方々にも楽しみを少しでも持ってもらうためにスポーツ事業をもっと落とし込みたいっていうか。やっぱり自分のできることってスポーツ関係だし、もちろん別のことも勉強しなきゃいけない立場ではあるんですけど、自分を活かすならまずそこかなと。

繋がりも結構あるとは思うので、そこをうまく引き出すのはまあ自分次第だと思うので、そこをうまくやれたらなと思ってますね。

まぁそれもそうだし、この地域から一緒に育ててオリンピックに出るような選手がいたら、もっと街の人たち関心持ってくれるんじゃないかなとか。例えば士別で育った子がプロ野球選手、サッカー選手になった時に、もっと興味を持ってくれるのかなと思いつつ、そういう事にも取り組んでいけたらって話をすごいしてるんですけど、そんなにうまくいかないよなと。（笑）でもそういう風に思ってます。

なんかあんまり大きいことは僕はできないんですけど、なんかそのゲストハウスを始めたっていうのもまあ１つなんですけど、なんか自分たちで自分たちの暮らしを作ってくみたいな。その自分たちの暮らしって、例えば稼ぎとかもそうなのかもしれないですけど「アフター５で何をするか」とか、「どんなことをして士別で楽しむか」っていう事を、自分たちで企画して自分たちで楽しむみたいなことを、これからずっと継続的にやっていけたらいいなぁと。
もう１つは今の立場としては市議会議員なので、先ほどの話がボトムアップだとすると、今度は制度として市が豊かになるとか、暮らしやすいとか、安心安全の街になるみたいな部分を、議員っていうところとあとは市民って立場と両方から培っていけたらいいなぁという感じですね。

ちょっと真面目な話になっちゃいました！（笑）

いや、俺もそういうコメント言いたかったですよ！（笑）

（湊さんは）士別のことめちゃくちゃ詳しいし、何より若いじゃないですか。（笑）僕より若くて市議会議員になって「この街をどうにかしなきゃいけない」って思ってるバイタリティみたいなのを僕ももらいながら、これから何年かかけて何かできればいいなぁって思ってて。僕はスポーツに特化してるので、その辺の風を入れてあげて、逆に（湊さんから）違う風をもらうような感じでやっていければ。

いいですね。

士別市は旭川があって、最北端の稚内があって多分みなさん通り過ぎる感じが僕の傾向ではあるんですけど、新しい風を入れながら士別市がもっとよくなるように進めていくので、ぜひこの動画を見てくれた方々には足を運んでもらって。

通り過ぎずに、まず道の駅にきてもらうとか、色んなところに立ち寄ってもらえるように、私も情報発信を頑張っていきたいなぁと思うので。

今が面白い時期かなって僕は感じていて、「世界のめん羊館」っていうたくさんの種類の羊がいるところがあるんですけど、今は飼育員さんが羊について説明してくれたりとか。その人の人柄も面白いですし、説明が面白かったりして、「この羊はこんな性格だよ」みたいなことを教えてもらえたりとかできるんで。
なんかそういう今まで見るだけの観光だったのが、体験できる場所が増えてきてて、ちょうどいい時期かなと思っていて。そういった意味でも、ぜひ通り過ぎるだけでなく、足を止めて見にきてもらえたらなと。僕らに声かけていただければ「ここ行ったらいいよ」とか紹介しまくりまくるんで！（笑）ちょっと多かったですね、まくるが！（笑）

コンシェルジュとして頑張ります、勝手に！（笑）

そうです、道の駅にも出没しますんで。（笑）