地元客から様々な土地から訪れた人々で賑わう名寄のパブ「トロピカル イン ライトハウス パブ バレンティノ」オーナーの駒田久さんと、名寄市内にて「笑楽厨房なごみ庭 名寄店」「風土ダイニング 灯桜」を経営する株式会社DRAGONGATE 代表取締役の山田康彦さんによる対談。
お二人の起業したきっかけから、仕事に対する思いについて語っていただきました。
二人が起業したきっかけ

飲みに出始めて、行きつけの店のママがアルバイト募集してると聞いてたんだけど、アルバイトが中々見つからないということで僕に「店に入ってほしい」と言われて。僕はアルバイトの女の子が見つかったら辞めるという約束で入ったんですけど、カウンターの中に入った瞬間、「自分にはこの仕事しかない」と思って。

今で何年目?

36年!経営者になって36年、この業界は45年目です。28歳の時に独立。

夜の世界にに入ったのが?

19歳。お店始めようと思ったきっかけは?

旭川でもずっと飲食店とかやってて、そこを辞めてイタリアンのお店で修行をして。なんか自分とオーナーさんの相性とかっていうのがあって、やめようと思った時がもう30過ぎてたんで、もうそろそろ自分でなんかやろうかなと思って、知り合いに相談して。そこで名寄の居酒屋さん紹介されて、そこを買って自分で独立ということで。

フランチャイズ?旭川にもあるんでしょ?

そうですね。

最初は小さい規模のお店だったんですよ。それが今は倍くらい?

うん、ありますね。家賃も3倍くらいになったんですけどね。(笑)
4倍くらいかな?

本当!元の家賃がわかんないよね!(笑)

言わないけどね!それはね!(笑)
知らない人の話でも名寄ってすぐ噂が広まるからね。

ちょっと大きくなったりね、名寄はそうなのよ。でもいい話もちゃんと広がるからね。

いい話を広められた記憶はあんまりないけどね!(笑)

でも、話広まるって良くないです?バレンティノとか、なごみ庭の話とか、色んな人の会話の中で入ってきたら嬉しい。飲んでてたまたまお店の話が出ると「じゃあ行ってみるか!」ってなるもんね。名前が出るっていうのは本当に素敵なことだと思うね。

まぁね。でも名前が一人歩きしないようにしないとね。

ここ(バレンティノ)でもなごみ庭さんの話でるからね。「今行ってきた!」とか「いつ行っても予約しないと入れない」とか。これはいい話だけど。

バレンティノに行った話を聞くとね、だいたい駒ちゃんの話しか出ないんだけど。(笑)

名寄の郷ひろみって?(笑)

自称ね!(笑)

これまでに苦労したこと、名寄の飲食業界の現状

長期入院をして、お付き合いしてる皆さんに会えることができなくて、それが凄く寂しくて辛かったですね。8ヶ月の長期入院したんですよ。その時は本当にみんなに迷惑もかけたけど、僕も本当にみんなに会いたくて寂しかったのさ。

コロナ前だっけ?

コロナになる前の年。だから見舞いもね来てくれたしょ?

えぇ。

色んな人が来てくれたけど、本当に「復帰できるんだろうか?」とか。まぁ、徐々に今かなり良くなったけど。まだ完全に回復してないんでアルコールはストップして、常にノンアルコールビール。

体調良くなったらまたいっぱい飲んでもらって。で、また入院してもらって!(笑)

それ言わないで!(笑)
ほんとは早く良くなってみんなと乾杯することを楽しみにしてるんだわ!

人生で大変だったこと。まぁコロナはやっぱり大変っていうのは当たり前なんですけど、名寄ってスタッフさんが大学生メイン。その中で、学生さんはテストとか地元に帰省とかで(人員不足で)お店を開けれないとか。そういうのは名寄ならではだなっていうか。旭川のときとか社会人の方とか結構色んなアルバイトさんいたけど、名寄は本当スタッフさんが学生だから。

そうだよね。一般の人いたら違うんですよー。

違うね。こういうのがずっと続くのかなと思うと、それはそれでちょっと大変だなっていうか辛いなっていう。

そうだね。それで去年休んでた時期あるよね?

そうだね。せっかく売れるって時に店開けれないっていう。

それ何回かあるでしょ?

人いない時は閉めてた。開けたい気持ちはあるけどさ、さすがに自分1人じゃ店できないからね。

僕だって1人じゃ開けないよ。開けたことはあるけどお客さん帰っちゃう。1杯だけ飲む1杯で本当。いつも4、5杯ビール飲む人が1杯で帰る。

女の子いないってなったらそれはしょうがないよね。

辛い!(笑)

でもそれはね、お店にちゃんとお客さん付いてくれてるからいいんじゃないの?(笑)

でもそんなに極端に帰ることはないと思わない?(笑)
4、5杯飲む人が1杯でだよ。今日はいいわ帰るって。

俺なら間違えたってすぐ閉めるけどね。(笑)

あ、飲む前に?(笑)
いや、1回座ってくれるんだわ。

優しい人ですね。(笑)

なかには「こういう時じゃないとマスターとお話しできないなぁ」って言ってくれる人もいる。1人で来てね。いつもは女の子と話してたりして、マスターがいても全然話できてないからと言って、優しく気遣ってくれてるのか、本当にそう思ってるのかはわかんないけどね、それは嬉しい。
仕事に対する思い、今後について

これからなんか考えてることとかは?

現在の経営状態をこのまま継続できたらいいと思ってます。これからって言われたらちょっと厳しいかな。

先あんまないからね!(笑)

いやー、それね言うんじゃないかなと思ったけど、言わんでほしいかなと思った!(笑)
年齢的にもね!

64でしょ?

64。

来年もどんなことになってるかわかんないような時代ですからね。

もう少しね、年齢的にも余裕あったら。もう1店(お店を作る)とは思ったことはあったけど。

性格というかタイプ的にね。

山田さんはね、2店舗経営して店長がいて、その体制できてるけど、僕それはできない。できないっていうかね、僕現場に立ちたい人だから、誰かに任せて自分は違う仕事っていうか、サイドビジネスとか、そういうことが僕できない人だから。できないっていうか考えてないのかな。

人に任すっていったらやっぱりねストレスはすごく溜まるからね。自分いない時に「こうやっておいてよ」って言ったことができてない時ってあるわけで。それってやっぱりストレスになります。

ふーん、それがストレスか。だからストレスないんだね。

ないの?

あんまりない。そういうのがない、現場にいるから常に。

さっきも言ったようにね人で左右されるって中々ね。自分が最初思って起業した時と違う現実が今あるわけだから、そこはなんとかしなきゃならないなっていうのは考えてて。今会社としては、飲食だけだと色々なにかあった時の影響がでかいということをコロナで痛感したんで。今46歳なんで、あと10年ちょっとぐらい?60前くらいにはある程度、老後のための投資とかね。そっち側を今考えてるかなぁっていうね。

うん、いいことだと思う。僕はもう60過ぎてるから。(笑)

いや、現金たらふく残してるから大丈夫でしょ?(笑)

僕はもうこう1軒で。サイドビジネスとか何もしてないんです。もう1軒とか系列店とか、そういうことをしないのが僕らしくていいのかなと。

それは考え方は人それぞれだから、やってるから偉いわけでもないし。

昔、札幌に出店する方がいて、「一緒にやらないか」って誘われたんですよ。そして、その2日後に札幌に下見に行くという話になってた。僕もかなり乗り気だったんだけど、この店が名寄にあって札幌にもう1店舗出すことになるでしょ?厳しいって思って。そこまでしてもう1軒っていうのが必要かな?と。

それで全然いいんじゃない?

系列店出してる人を見たら、ちょっと羨ましいっていうか、自分にはできないことだから。もう今はそんなことないけど。今考えてることはもう少しこの店を広くしたいかなと思うくらい。

充分でしょ!まぁお金があるんだったら全然やってもいいと思うんですけど。(笑)

いや、同じ内容でなくてちょっと分けようと思って。スポーツバーみたいなね。

いいね。人いたらそれもいいなって思いますね。駒ちゃん立つのは厳しいよ!

僕できない?

うん、雰囲気がちょっと違いすぎるからね!具志堅用高みたいなんだもん!(笑)ちょっと雰囲気違うよね〜。

このスーツでいるのもね。(笑)

ちょっと気持ち悪いね!(笑)

やっぱり楽しく仕事をするのが1番だと思ってるので、これからもみんな初心を忘れないで頑張ろう。僕も接客面でうまくいかなかった、いつも通りでなかったとかあるんだけどね、そういう時は反省するのさ。自分の中でいつものスタイルできなかったなって反省するのに、それがやっぱり「初心に戻る」って言葉の意味かなと。やっぱり最初って教えられたことがあるわけですよ、この業界に入ってね。それをまたもう1回考え直して、また再度接客する。初心に戻って頑張ろうということはなんか僕の中ではかなり必要、日々良くある。

初心を忘れず。

まぁ反省もあるけど、反省するっていうのは僕はいいことだと思って。年齢は関係ないと思うね。やっぱり初心は大切にして、僕は今64だから僕の初心ってかなり前だけどさ。(笑)

それを今でも大切にしてるってことね。

だからやってこれてるのかなと。誰かに任せたりとかしないで。誰かに任せて自分あんまり店にその接客もしないスタイルを通した場合、あんまり考えられなくなるかもしれないね、その初心とか。週に何回も店に出ないとか、僕の場合あまり良い言い方じゃないけどダメ人間になっちゃう。だから常に店に行っていたい。
僕も結婚する前は365日毎日開けてた。「なんで休まないの?」って言われたもん。でもそう言ってお客さんがお店に来てくれるでしょ?それ良いでしょ。実際にお店に直接来て、そう言って座ってくでしょ。だからそれで良いと思う。

最初は僕も1日何十時間も普通に働いたし、その初心っていうのも大事だと思う。芯をしっかり持って意思を伝えてくれれば、「あ、そっか」って俺は言うの。それは別にいくら年下だろうが、経験なかろうがね。まぁ芯というか本質っていうのはすごく大事にしてるんで。今、学生さんでも高校生で自分の進路を決めて大学に行く人いっぱいいるじゃない?

いるね。

あれって俺逆にすごいなって思うんですよ。自分はその時なんて好きなことしかやってなかったし。まぁブレずにやってけばいいのかなって思いますけどね。

初心に戻るの大切。まぁ芯を崩さないでね。

駒田久 Profile.

【パブ バレンティノ】Instagram
1968年 6月15日生まれ 名寄市風連町出身
1976年 高校卒業後、一般企業に就職
1978年 深夜飲食業に転職
1987年 パブ バレンティノ
個人事業主として開業、現在営業
名寄料飲店連合会 会長
名寄観光まちづくり協会 理事
名寄消防後援会 理事
名寄自衛隊協力会 理事
名寄市防犯協会 理事
名寄警察官友の会 理事
名寄市交通安全運動推進委員会 理事
名寄地区暴力追放運動推進協議会 理事
山田康彦 Profile.

【なごみ庭 名寄店】Twitter
【なごみ庭 名寄店】Instagram
【風土ダイニング 灯桜】Twitter
【風土ダイニング 灯桜】Instagram
1976年 旭川市出身
2005年 (株)アスクゲート入社
なごみ庭店長・マネージャーを経て、2012年なごみ庭名寄店を個人事業主として開業。
2015年 (株)DRAGONGATE設立
2018年 風土ダイニング灯桜をオープンし、現在2店舗での営業
名寄地方法人会青年部 理事
名寄地方食品衛生協会 理事
名寄市料飲店連合会 理事
名寄市商工会議所 議員