手越祐也が語った世界への思い 〜世界の銘醸地の中の余市の可能性〜
2022.06.30

デンマーク・コペンハーゲンにある世界ナンバーワンレストラン「noma」へのドメーヌ・タカヒコのワインのオンリストや、ワイングラスの名門リーデル社と自治体として世界初の連携協定を締結するなど、世界中のワインファンの注目を集めている産地がある。ここ北海道余市町だ。

そんな余市町にアーティストの手越祐也が訪問した。
「made in Japanを世界に広めたい」と語り、これまでにテレビ番組などで50カ国以上を訪問した彼が、余市町の齊藤町長とワインを余市のワインをテイスティングしながら、世界への思いを語った。



北海道,余市
齊藤

手越さん、ようこそ余市町へ。訪問を心から歓迎します。手越さんは普段もワインをよく飲まれるワインラヴァーとうかがっています。余市も近年銘醸地としての注目度が高まっている産地です。早速余市のワインをテイスティングしましょう。乾杯!

手越,祐也
手越

ありがとうございます。会食等で様々なお酒を飲む機会があるのですが、特にワインは大好きで良く飲みます。番組などで海外に行く機会が多く、世界中の様々なワインも飲んできました。ワインが好きすぎてアメリカ訪問の際には行程にカリフォルニアのナパ・バレーを入れてもらいました。ナパのワイン畑を訪問した際に、そのスケールにはたいへん感銘をうけました。今はまだなかなか海外には行きにくくなっていますが、また行きたい場所です。
好きなセパージュとしては、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランといった力強いワインをよく飲みます。
フルボディのワインが好きですが、もちろんピノ・ノワールも飲みます。ブルゴーニュの土地や区画ごとの違いがとても面白いです。
余市のピノ・ノワールは世界的にも注目が高まっていると聞き、今回是非訪問したいと思いました。注目産地を訪問することができてとても嬉しく思っています。

北海道,余市
齊藤

注目いただきありがとうございます。はい、おっしゃる通り、近年余市のピノ・ノワールは注目が高まっています。ワイン産地の北海道としては、150年ほどの歴史があるのですが、定着せず1960年代までワインブドウ造りが途絶えました。余市は元々リンゴの産地でしたが、1970年代に入り、リンゴの価格が暴落したことから先を見据えた農家さんがリンゴを抜根し、ブドウの栽培への切り替えたのがきっかけです。当時は、ドイツ系の品種がメインでしたが、1982年にピノ・ノワールの苗木が配られて、栽培が開始されました。ピノ・ノワールの栽培の歴史は40年ほどです。
ワインの産地としては若いですが、2010年にドメーヌ・タカヒコが余市に開設されたことがピノ・ノワールの銘醸地へ進んでいく転換点となりました。余市として2軒目のワイナリーになったドメーヌ・タカヒコには、多くの門下生が集まり、独立していき、2022年の今や余市のワイナリーは15軒にまで増えました。 ピノ・ノワールの産地としての知名度がどんどん上がっています。
さて、今日用意したワインはドメーヌ・タカヒコのピノ・ノワールでつくられたロゼワインです。ヴィンテージは2020です。早速テイスティングしてみましょうか。


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手越,祐也
手越

ロゼとのことですが、ピノ・ノワールの赤ワインのような色合いですね。すごくエレガントです!果実味がしっかりあって、酸のバランスも良く、冷涼なエリアの素晴らしいピノ・ノワールですね。日本のワインもすごくレベルが高いことを実感します。

北海道,余市
齊藤

はい、おっしゃる通り。北海道のワインの特徴は旨味感とか出汁感だと思います。私もブルゴーニュワインが好きなので飲み比べをするのですが、ブルゴーニュワインはよりミネラルを感じるのに対し、北海道のワインは出汁感なのです。それは水の違いが大きく作用しています。ヨーロッパは硬水なのに対し、北海道は軟水です。ヨーロッパで昆布出汁をとろうとしてもうまく出ないですよね、またふわふわの今治タオルをヨーロッパで洗濯するとゴワゴワになってしまいます。そのくらい水が違うのです。
また、北海道のワインは森から虫たちが運ぶ酵母によって、雨上がりの草地、森の下道、きのこのようなニュアンスを感じます。非常にユニークで、北海道のワインのレベルには驚かされることがあります。

手越,祐也
手越

おっしゃる通り、ものすごくレベルの高いワインですね。率直に感銘をうけました。
僕は番組などで50カ国以上海外を訪問してますけど、やっぱり僕は「メイド・イン・ジャパン」だったり、日本の文化が心から大好きなので、良い日本のものを広く海外に伝えていく、これは僕がいつも考えていることです。
もちろんワインで言うと長い歴史のあるフランスやイタリアは重みがありますが、こんなに素晴らしいワインを生み出す日本人の勤勉さや技術を尊敬しています。

北海道,余市
齊藤

はい、おっしゃる通りですね。日本に良さを広く海外に伝えていくこと、私も元々外交官でしたので、手越さんのその思いには強く共感します。
先ほど北海道も含めた日本のワイン造りの歴史について、150年ほどの歴史があるといいましたが、実はこの長さは他のニューワールドの国のワイン造りの歴史とそんなに大差はないのです。
しかし、実際はチリ、ニュージーランド、オーストラリアなどのワインと世界での知名度が大きく差が開いていると感じます。

手越,祐也
手越

そうなのですね。日本はいいものは作れるし、国民性も最高だとおもうのですが、広め方や柔軟性を少し工夫するだけで、大きく羽ばたくものがたくさんあると思っています。伝え方のせいで、悔しい思いしてる職人の方や作り手の方ってすごく多いとおもいますので、僕も何か力になれたらいいなと思っています。

北海道,余市
齊藤

ありがとうございます。手越さんの思い共感します。余市では、ワイングラスのリーデルと連携協定を結んで世界の銘醸地にならぶようなマーケティングも始めています。手越さんも応援してくれればとても心強いです。是非共に取り組んで参りましょう。それでは実際にワイナリーにも見学に行ってみましょうか。




齊藤町長は、全国に1718ある自治体の中で唯一ワインエキスパートの資格を所有しているワイン通だ。齊藤町長とともに手越祐也は、余市町のキャメルファームワイナリーを訪問した。キャメルファームワイナリーは、世界的な国際ワイン品評会「Decanter World Wine Awards 2021」 に出品した「ピノ・ノワール プライベートリザーブ 2019」がゴールドメダルを獲得している。日本のピノ・ノワールがゴールドメダルを獲得するのは快挙である。

余市町のワイナリーは、日本ワイナリーアワード2022で、五つ星がドメーヌタカヒコ、四つ星が平川ワイナリー、キャメルファームワイナリー、モンガク谷ワイナリー、三ツ星がリタファーム&ワイナリー、登醸造、ドメーヌアツシスズキ、ドメーヌモン、ドメーヌユイと多くのワイナリーが受賞、総なめ状態である。 手越祐也は、キャメルファームワイナリーでケルナーとピノ・ノワールをテイスティング。両方とも大変美味しいと評価をしており、特にピノ・ノワールが最高に美味しいと語っていた。「とにかく、最高!!」それが余市に対する手越祐也の感想である。再訪を誓い余市を後にした。ますます目が離せない産地である。

手越祐也 Profile.

15歳でジャニーズ事務所に入所し、2003年9月のデビューから2020年6月独立までの約17年間男性アイドルグループのメンバーとして活動。
在籍期間中、歌手活動だけでなく、「FIFA クラブワールドカップ」「FIFA ワールドカップ」でメインキャスターを務め、人気バラエティー番組へのレギュラー出演、俳優など幅広く活動。

フリー転身後は、自身のTwitter、InstagramなどのSNSを開設。
YouTube『手越祐也チャンネル』の登録者は約170万人にのぼる。

2021年5月、富士スピードウェイで行われた「SUPER GT 第二戦」にて初の国歌独唱。
地元横浜スタジアムで行われた「横浜DeNAベイスターズ」対「中日ドラゴンズ」戦では始球式を務めた。

2021年7月からは6ヶ月連続新曲配信及びアルバムリリースを予定し、アーティストとして精力的に活動。

2022年1月には全国ツアー「手越祐也 LIVE TOUR 2022 NEW FRONTIER」8ヶ所14公演を実施。
5月には「スペプラ手越FES.2022」を開催。

Official Web Site

余市町長・齊藤啓輔 Profile.

平成16年3月 早稲田大学卒業
平成16年4月 外務省入省
平成17年7月 在ロシア日本国大使館
平成19年7月 在ウズベキスタン日本国大使館
平成21年7月 在ウラジオストク日本国総領事館
平成23年7月 外務省ロシア課
平成26年7月 内閣総理大臣官邸国際広報室
平成28年6月 北海道天塩町副町長
平成30年9月5日 余市町長就任
 

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