「SAPPORO COLLECTION」、「FASHION CIRCUS HOKKAIDO」等を手掛けたプロデューサー・岩田圭悟と、AIR-Gパーソナリティー、イベントプロデュースまでもこなすDJ龍太が、コロナ禍での現状とこれからの北海道のエンターテイメントを語る!
コロナ禍で影響を受けるエンターテイメントシーンの現在について
(笑) 初めて会ったのは覚えてないけど、初めて現場が一緒だったのは滝川だね。
そうそう。でもその前に連絡とってるからさ、会ってるってことだよね?
とってるね。会ってる。
全然思い出せないな〜。 岩田さん、当時龍太と絶対仕事したくないって言ってたよね!絶対面倒くさそうって!
そうそう!龍太は声がガラガラしているから大人向けMCかと思ったら、子供向けのイベントをしているのを見て、「ちゃんとしてる!」って思ったよ。
でもあれだよね。俺もそうだけど岩田さんも怖がられるタイプじゃん?
うん。現場中は特に怖いって思われちゃうんだよね。
あー。(笑) 違うんだよね!真剣に台本見てやってるから怖がられるんだよね!
現場中は会場全体を管理するから、いろんなことを気にしないといけないし、気になることが多いから余計にピリピリしているかもしれないね。
そうそう。
元々のいた会社がファッションショーの演出の会社ですごく細かな部分まで考えないといけない時代だったからね。
あ、そうなんだ。
歴代の先輩達のご指導が厳しくてねー。そこでずっとADだったから、たくさん勉強させてもらったよ。
染み付いてるんだね。
照明1つの角度とかわかんないじゃん?それを1から教えてもらったから。
そっか。
昔は毎週末ファッションショーがある時だったから、細かくいろいろ学べる環境があって良かったなーって今は思うよ。
へー。
今はうちの社員でも演出を教えてあげられたのは、唯一2〜3人くらいかな?ここ数年は現場の本数もそんなにないから教える機会もないし、それはちょっと反省というか。もっと作っていかないとなぁとはずっと思ってるんだけどね。
教えてかないとね。
龍太はイベントとか全然無いでしょ?
無い無い。今年は制作も出演も全部飛んじゃったし。でもリモートのイベントは最近ちょっと増えてきた感じかな。
喋りだからリモートって部分では生き残れる要素はあるよね。
まだね。でもやっぱり現場行きたいね。 現場で喋ったり作ってる方が絶対楽しいもん。勉強にもなるし。
人と会うイベントがそもそも無くなってきてるから。
やっぱりお客さんに会えないから、それが演者の立場からしては寂しいところがあるかな。
そうだね。役者さんもそうだし出演者にしてみたらね。
まぁでもラジオで慣れてるから、誰もいない環境で喋るっていうの。
それすごいよね〜。誰も居ない中マイクに向かってずっと喋ってるんでしょ?
今深夜の番組なんか1人で卓もやってるから。(笑) 1人でマイク持ってきて卓もやってみたいな。でも元々ラジオってそういうスタイルでアメリカでスタートしてるからね。 楽しいっちゃあ楽しいけど、たまに寂しくなるよね。反応が欲しいなみたいな。(笑)
(笑)
だからずっと喋ってられる力は身に付いてるよね。
現場はやっぱりいろんな感情や空気がわかるからいろいろ出来るけど、ラジオはそうはいかないからね。
いかないね〜。もうノリ突っ込みしまくりだもん!(笑) 果たして本当に良かったのか、疑心暗鬼になるよ。
(笑)
でも不安になっちゃうと面白い事言わなくなっちゃうからそれも駄目だし、日々精進というか毎日反省してる。
そうか。(笑) その後はいろいろ「FASHION CIRCUS」をお願いしたりとか、うちのモデル達も龍太のところでお世話になったりね。
モデルさん達頑張ってますよ。みなさんTV出てるし。
頑張ってるよね〜。モデルとタレントといろいろやらせてもらえてありがたい限りだよ。
うんうん。
元々札幌はファッション雑誌も無いからモデルの仕事もそんなに多くなかったんだけど、数年前から東京でもモデルがタレントみたいにTVやラジオに出たりするようになってきてて、ちょうどその頃うちのモデルもTVの仕事が増えてきて変わってきたね。でもみんなファッションショーが好きだから「ランウェイ歩きたい!」って思ってると思うんだよね。
ファッションショーで歩いてるモデルさんはいつもの顔と全然違うもんね!あれはすごいかっこいいと思うな。
やっぱりそういう場所をもっともっと作ってあげるのが僕らの仕事だとは思ってはいるし、来年またファッションイベントを仕掛けてはいきたいんだけど、実際のところどうなるかわからないし。
まず出来るかって話だからね。
どうなるんだろうね。コンサートもイベントも、これだけ無いからね、誰かがやらないとなかなか皆動きだせないよね。
そうなんだよね。
音響さん、照明さん、映像さん、舞台さんとかそういうテクニカル周りとかは本当に今仕事無いから大変だと思う。
そうだね。来年もコロナで仕事無くて大変だって言ってたら駄目だし、何か変えていかないといけない時期かなとは思ってるかな。
来年はいろいろなプロジェクトが動き出しそうな噂は聞こえるんだけど、実際どうなるかは分からないから状況に合わせてスケジュールも考えないとね。
動けないもんね。
北海道は特にこれから雪降ったらもっと外出なくなるシーズンだけど、スキーとかスノーボードとかのウィンタースポーツは、皆さん今年は行きたくなるじゃないかな。今年の冬はいろんなところが潤うといいよね!
そうだね。
そこにイベントを絡めてスポンサーさんがついてくれてっていうのが理想的だけど、なかなかね...。
大変だもんね、今。
じゃあ自主イベントか!ってなるけど、うち体力ある会社じゃないから!(笑)
(笑)
でもこの冬に何かしたいなとはすごく思っていて。ドライブインシアターとかも良いし、安全に楽しめることができたらと思ってて!だって、また来年も今年と同じ感じだったらって思うと...どんどん辛い気持ちになっちゃうと思うんだよね。
俺も駄目だな。
「今年でコロナ終り!」ってなれば良いんだけど、来年もみんな半分諦めで半分なんとかしないとっていう気持ちがあるじゃない?
うんうん。
これは北海道人は特にこの冬に何かやっておかないとね!でも、もしダメだったら畑はおすすめだよ!(笑)
いいね!(笑)
(笑)
それ賛成!俺も農家やりたい!(笑)
ひたすら野菜作って、野菜と会話するしかなくなっちゃうよ!すごく楽しいけどね!(笑)
みんな密が怖いっていうのもあるよね。ドライブインシアターって岩田さんさっき言ってたけど、30~40年前じゃない?あったの。
そうだね。(笑)
でも今年北海道でも結構車の中で観戦するイベント結構あったし、あれは良いよね!
そうそう。うち10月の頭に函館の黒船サーカスというイベントでドライブインシアターやったのね、大沼駐車場借りてさ。慣れてる感じで1BOXで来て、後ろあけて子供達がテーブル囲んで茶の間のような感じで観てる強者もいた。(笑) すごいなーと思って!
今だからね。そういう昔はやった事も今だから出来るだろうし、とにかくやってかないとね。
そうなのよ。
岩田さんと初めて仕事したのはファイターズじゃない?
んー、そうだね。
やっぱり褒めるわけではないけど、すごい安心して出来るわ!(笑)
(笑)
それがすごい面白かったし。でも岩田さんも俺の事ちょっと信用してくれてるから手抜くのよ!(笑)
(笑)
それも面白かった!(笑)
後半になったらキュー出しもしなくなったよね。(笑)
(笑) 龍太勝手にやれって感じだったよね!(笑) でもあれがなんか理想だなと思って!
うんうん。
俺も現場にいたら口うるさいのね、あーしてこーしてって。 ラジオ番組作っていても、すごいうるさい訳俺は。周りの人達は何で龍太あんなにうるさいのって思ってる人達もいるんだけど、みんな俺と仕事やりたがらないし。(笑)
(笑)
だけど俺はプロ意識の固まりなんだよって思ってるからさ、でも最近言わないようにした。
そしたら仕事まわってくるんじゃない?(笑)
(笑) でも一つ俺が我慢すれば良い事なんだなって言うのも覚えたし、俺がカバーすれば良いやって思うようになった。
うん!大人になったね!(笑)
40過ぎてから!(笑) 岩田さんもそうだったでしょ?絶対!
確かに。(笑) なんか丸くなったねって言われる事は歳とってからどっかのタイミングであるよね。でも何も変わってないんだけどね!ただすぐワー!って怒るよりも、もう少し様子を見てみようとか、自分をセーブできるようになっていくんだよね。
そういう風になっていくんだよね。
これからの北海道エンターテイメントシーンについて
演者としてもうそろそろ前に出ちゃ駄目かなって思ってる、45歳だし。
ふーん。
さっき岩田さんが言ってたように下の人を育てるというか。これ幸い北海道ってあんまり喋れる人が出てきてないから自分も生き残れてるんだなと思うけど。俺はそろそろ前に出て喋るっていう事に引き際を考えてるっていうのはちょっとあるかな。
喋り手でもあって、企画もかけて、自分でディレクションも出来るっていうマルチな才能は、生きてく上では器用にやってくべきだと思う。 1つしか出来ないオタクは今IT系の人達がオタク文化みたいな部分で伸びてる人達だと思うんだけど、僕らは1つの事を出来る根性が無いから、逃げてるって訳じゃないけどいろんなものにチャレンジしてる訳じゃない? 多分それで良いと思っているし、俺もそうだけど喋れる訳でもないし、ただ企画が出来て台本書けて、営業が出来て、いろんなスタッフがたくさんついてきてくれてるって部分では、今後を考えると、30年近くそれしかやってきてないし、それしか出来ないんだと思うんだよね。 今年コロナ禍でいろんな事にチャレンジしようとは思うんだけど、これ以上広げれる余力、体力、お金は無いし、知恵絞っていかないと、友達も今携帯の中にあるリストで十分だっていう歳になってきてるから。(笑)
(笑)
今持っている自分のスキルの中でなんとか見つけてやって行かなきゃいけないなとはすごい思う。 だからさっき言った冬の間にやりたい事が何個かあるから、うまく行くかどうかはわからないけど、出来る事はやっておかないとあっという間に雪解けちゃうから。それは仕込みたいなと思ってるよね。
うん。
失敗するか成功するかはわからないけど、何かに向かってぶち当たること。自分でも反省してるし、みんな飲みの席で言うのは簡単だけど、実際みんなそれやってるのって聞いたら50~100個の内の1個でしょ?って。(笑) だったら言った事の7~8割はやっていきたいなって自分に発破掛けてるよね。せっかく1年何もやってないから下を育てる事もそうかもしれないけど、言ったらやらなきゃいけないなってプレッシャーが自分にかかるなって思う。
そうだね。俺は今ずっと事務所に居て企画書作成とかしかやってなくて、何個かは形にはなってるんだけど。最近だとドリカムのREMIXやったりだとか、TV CMの曲作ったりだとか。自分で歌入れて。(笑)
え!それは大丈夫なの?(笑)
仮歌ですよ!(笑)デモでね!
俺なら却下するな!(笑)
いやいや!すごい評判よかったんだから!(笑)
ほんと?何言ってるかわからないから?(笑)
俺の声の事じゃなくてCMソングの全体の話!(笑) でもいつかこんなガラガラ声が流行りの時代来ないかなって期待はしてる。(笑)
いつかくるかもね!(笑)
俺なんかど素人なのにいきなりラジオ業界に入って、周りの人もわからなくてひどい事も言われたし、見返してやろうしか考えてなくて。「出る杭打つなら打ちに来いよ」くらいの気持ちでやってたけど、今は下の世代の可能性を引き出してあげるような位置に少しずつなっていきたいと思いながらやってる。 最近若い子達に会う事が多いし、それが10年後、20年後その子達が北海道のエンターテイメントを盛り上げてくれていれば、死ぬ時にやってきた事間違いじゃなかったなって思えたらいいかな。 まぁ、まだ引退はしないけどね。(笑)
できない、できない!(笑) おむつ履いてでもやってもらわないと。(笑)
本当に辞めるときにやろうと思ってる事は1つあって。 それは誰にも教えてないんだけど、楽しみにしてて。(笑)
(笑)
でもこれは全然上から言う訳じゃないけど、北海道のイベントはもっとクウォリティー上げる事できるよね!そこには予算もモノも必要なんだけど、そこは何時か目指していけたら良いよね。
結果、これは持論なんだけど音楽以外のエンターテイメントで大きくなったものって北海道ではそんなに無いなって思っていて。音楽以外の北海道で大きくなったエンターテイメントって…。
「食」?
うん。だけど「食」ってエンターテイメントなの?ってなっちゃうんだよね。「音楽」と「食」の融合っていうのはあるけど、あくまで「音楽」があるから。あとは他に何がバズってるのってすごい考えるよね。 ようやくアウトドアとかマラソンとかそっちの方にいってるような気もしないでもないけど、それもまたエンターテイメントかって言われると野球もサッカーもスポーツは元々あった訳で、それ以外何かなって考えるとなかなか無いよね。
うん。
唯一、日本の首都東京で言うとファッションがしっかり確立されていて、北のファッションは札幌からみたいな感じで国としても市としてもいろいろやっているけど、なかなか定着しないっていうのはやっぱり人口の差だったりとか企業の差であったりだとかすごいあるから、だったら逆に今は情報を発信するものがいっぱいあるから、小さくやって世界に配信するっていう形じゃないととてもじゃないけど太刀打ち出来ないなって思っていて。 19、20歳の子達と喋るとすごい就職とか大変そうなのね。ファッションは特に卒業しても6割くらいしか雇用が無くて凄い可哀想で。だからこそ自分でやれよって言いたくなるし、「デザイナーになりたいです!」って言っても、卒業生のうち1人がなれるかなれないかの北海道だし、ほとんどが販売員から始めるのが現状。だったら自分から発信して海外と繋がって何かやれた方が大事だし、そこをお手伝いしたいなって思う。
うん。そうだね。
でも、実績として「SAPPORO COLLECTION」を立ち上げたり、「FASHION CIRCUS」も自社で開催したりだとか、やる事だけは好きだから。でも体力と今のご時世を考えると、いかにスマートでかっこ良くて面白いか、それを誰に観てもらうか、人は呼べないんだから。
「デザイナーやってます!」って言っちゃって、物も作っちゃって、芸能人がたまたま気に入ってバズっちゃうみたいな、そういうワクワクする想像力を働かせないとなかなか行動に繋がっていかないんだろうね。 スマホ一台で世界中に発信できる時代で、若い子はその中で育ってきているから、やり方もどんどん変わっていくというか、変わってってほしいというか。
売れる先も国内じゃないと思う人たちも出てきてるし、若い世代も応援したいと思うけど、まだこっちのおじさん達のアンテナに引っかかってこないんだよね。 どこの国で売れようが全然良くて、国内よりは小さくやって海外で大きく売れるような方法を編み出さないと生き残れないような気がする。これはエンターテイメント全体な気がする。
俺の会社の名前が「ASIAN DREAM」で、なんでアメリカン・ドリームがあってアジアに夢がないんだと思ってて、日本じゃなくても海外で売れてもいいんじゃないのってところでその社名にしたんだけど。北海道にも若いバンドマンが居るから、それも俺の中の夢の一つとしてあって。
まずは龍太のCMソングができた時から始まるんじゃない? ASIAN DREAMは。(笑)
それが第一歩かな?(笑)
ということで、いい感じですか? 〆はASIAN DREAMのCM話で。(笑)
いやいや駄目でしょ!(笑) いいんですか、それで?
はい。ありがとうございました。(笑)
ありがとうございました!(笑)
岩田圭悟 Profile.
1988年服飾専門学校卒業後、ファッション業界に身をおき、様々なファッションイベントを手掛け成功を収める。
1999年12月 (有)ドンクエンタープライズ設立。ファッションイベントのみならず、スポーツ文化イベントの製作、運営なども手掛け手腕を発揮。
2002年12月 ファッションイベントに特化した(有)ZNO NETWORKSを設立。プロモーションやファッションショー企画運営をはじめ、ビジュアルスペースデザイン、デザインコンセプト構築まで様々なコンセプトワークを手がける。
2007年よりスタートしたSAPPORO COLLECTIONでの総合演出をはじめ、2010 KANSAI COLLECTION / 2010 HAKATA SISTERS / 2012TOHOKU COLLECTION / FASHION CIRCUS HOKKAIDOなど、全国のイベントを数多く手がける新進気鋭の演出家兼プロデューサー。
有名ラグジュアリーブランドのショーなども数多くの手掛け、活動の拠点は北海道にとどまらず、東京、大阪、博多など全国で活躍。
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DJ龍太 Profile.
2002年よりFM北海道で帯番組を担当、FM北海道で夜の顔として放送を続け現在は北海道日本ハムファイターズのラジオ番組や深夜番組、ディレクターも勤めている。
2016年からは北海道日本ハムファイターズの公式MCとして抜擢されラジオ/イベント/TVCMなど様々な分野で活動中。
2014年には株式会社アジアンドリームを起業。楽曲制作やイベント制作、プロデュースなど幅を広げているオールマイティーMC。
取材協力
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