2013年3月にm-flo名義によるニューアルバム「NEVEN」をリリースした☆TAKU TAKAHASHIのINTERVIEW

  • 2018/8/19

☆TAKU TAKAHASHI INTERVIEW

■ m-floを始めたきっかけについてお聞かせください。

VERBALとの出会いは小学校のときで、そのときは一緒に遊ぶことはあまりなかったんですけど、ぼくはダンスカルチャー全般、New York HouseだったりとかHip Hopだったりとか、あとはNew Jack SwingとかR&BとかそういったものでDJをしていて、サンプラーをいじったりしている中で、彼はラップをしていて、それで「一緒にやろうよ」って始めたのがきっかけですね。

■ 2013年3月に「NEVEN」をリリースされましたが、どうしてこのタイトルに決めようと思ったのでしょうか?

7枚目のアルバムで「7」(SEVEN)っていうのと、「NEVER LAND」とかそういうあり得ない場所っていうところの造語で「NEVEN」ということなんです。「NEVER LAND」っていうのは理想の場所ってことなんですけど、実際それがどこにあるか?実は自分の身近にあるのかもしれない。確かに今、日本の経済現状が良くない、そもそも不景気だったり。日本で一番最初に不景気を体験したのは北海道です。拓銀が破綻したあとからいろんなところが不景気を体験されていって、そこからどんどん日本全国に繋がっていったりしていって。人それぞれ自分達の理想とか不満とかあると思うんですけど、でも自分達が住んでいるところって悪いことだけじゃなくて、そこから何かを変えようと思う気持ちを持てば、そこがすごく光る場所になり得るんじゃないかという思いを込めて、7枚目のアルバムっていうのと「NEVER LAND」をかけて「NEVEN」にしました。

■ 「NEVEN」ではMINMIさん、加藤ミリヤさん、Matt Cabさんなど様々な方がフィーチャリングアーティストとして参加されていますが、もともと親交があったということなんでしょうか?

今回コラボレーションした方っていうのは、もともと親交があった方達で、Matt Cab君も前回のアルバムに参加してもらってますし、MINMIちゃんもミリヤちゃんも一緒にやったこともあるんで。この質問って意外と難しいのが、なんで選んだのかって聞かれると、「好きなアーティストだから」って言うとそれで終わっちゃうことで、そのときデモを作ってるときに、この曲はこの人に合うかなぁ~とかそういう感覚でオファーしているっていうのが答えです。

■ block.fmを始めた理由とはなんですか?

15年前を振り返っていただけるとわかると思うんですけど、もちろん今の現状を見ることも大事だと思いますが、日本にDance Music、まぁDance MusicをElectro Musicともいいますし、あとHip Hop、Reggaeなど様々な踊るための音楽っていうのがどのくらい今の日本に浸透しているか?15年前はどのくらい浸透していたか?日本はもともとアンダーグラウンドカルチャーはすごく強い性質はあったんですね。15年前は特に強かったんです。15年前のビルボードの中でもEast CoastのHip Hopでもそうだし、ウェッサイでもそうだし、South系でもそうですし、そこからSouth系の影響が強くなってNew Yorkにいってビルボードでヒットするようになってメジャーになっていった。同時にその間にもアンダーグラウンドのもの、例えばCompany Flowとか、当時EMINEMもメジャーになる前はアンダーグラウンドであったりとか、アンダーグラウンドで生まれたものがメジャーでしっかりとマネタイズできる状態があった。一方、日本でも当時アンダーグラウンドでマネタイズできる状況はあったんですけど、メジャーになるっていうのはなかった。だからいかにお茶の間にそういったおもしろい音楽があるんだよっていうのを知ってもらうためのドアになりたかったんですよ。ぼくはHouseも、Drum & Bassも、2 STEP、Acid Jazz、Hip Hop、自分がいろんなものを消化してきた中で、どうやったらそのようなアンダーグラウンドカルチャーから発生したものをメジャーで出していけるか、そしてそれを「m-flo」という形で出してきました。そして願わくばそこから5年、10年経って「え~、m-floとか生ぬるいよね~!」って言う若い子達がたくさん出てきて、その子達がしっかりとマネタイズできる状態の日本になることを願ってやっていました。ところが残念ながら日本でそういった状況は起こらず、世界のトレンドとは増々離れていっています。
海外だったらビルボードとCLUBで流れている音楽って非常に近いんです。一方、日本のオリコンチャートでTOP10に入ってるものとCLUBでかかっているものってすごいほど遠い。DJとして活動しているプロデューサーが作った音楽でTOP10に入るのが中田ヤスタカと僕しかいないんです。自分としては入れてるのはすごく嬉しいんですけど、海外の場合、DJだったり現場で活動している人たちがプロデューサーをやって、それがビルボードヒットになっていく。しかし日本ではあまりにもそこからまた違ったものが入っているから、増々CLUBの音楽を作る人達が活躍しづらくなっている。そうなると「海外出るしかないよね」ってなっていって。でもそれって本末転倒じゃないですか?せっかく日本にすばらしいアーティスト、DJがいるのに。海外のDJも僕散々呼んでますけど、日本人の方がうまいんです。だけど、サッカーに例えてみましょう。フリーキックの的当てゲームをしたら日本代表が勝ちます。ドイツ代表にも多分勝つと思いますし、ひょっとしたらフランス代表、ブラジル代表にもフリーキックバトルをしたら日本は勝つかもしれません。でも試合をしたらどうなるか?日本は勝てません。日本人は現場での戦い方っていう面で経験が少ない。(話を音楽に戻して)日本で新曲を作っても披露する場所がなさすぎる。そして日本人の18歳、19歳ですっごい面白いクリエイター、DJ、アーティストが出てきているにも関わらず、日本のメディアは誰が紹介してくれます?

あと、よく「リアルじゃねぇ」「リアルだ」、「セルアウトだ」「セルアウトじゃない」って話がよくありますけど、「おれはお金でやってない」っていうHip Hopの人がたいていお金に余裕のある人なんですね。これは面白い矛盾なんですけど。金儲けっていうのを「悪」みたいな言い方しますけど全然「悪」じゃなくって、自分がやりたくないことで金儲けするのはロマンがないけど、自分が大好きなことでお金を稼ぐっていうのはすばらしいことだと思うんです。でも日本では残念ながらしっかりとマネタイズできるアーティストがいっぱいいるにも関わらずそれができていない。カルチャーってなんで存続されるかっていうとしっかりマネタイズができるからなんですね。DJのギャラが上がるのは(CLUBに)お客さんが入るから。日本はアジアの一国ですよね?他のアジア諸国はどんどんうまくいってるのに日本だけうまくいってないんです。雑誌もどんどん閉刊されていってDance Music専門の月刊誌がとうとうなくなってしまいました。メディアがなくなっていく中、みんなが繋がれるところがCLUBだと思うんです。
「block.fm」のゴールはもともと何かっていうと、別に僕がメディア王になりたいとかじゃなくって、CLUBが盛り上がっていくため、CLUB LIFEをみなさんに楽しんで頂くために作ったんです。週末CLUBに行って、平日「block.fm」を聞いて予習・復習をしてまたCLUBへ行くっていう。あとDJ達もELECTROでブレイクした人たちっていうのはトレンドがすごい変わってるんですね。4年前はELECTROをかけてたけど今はTrapしかかけないっていう人もいらっしゃったりとか。そもそもいろんなジャンルを好きな人たちがやってるからそれは当然のことで、1年経てば(DJのかける曲が)すごい変わっちゃうんですね。でもラジオがあってコンスタントにレギュラー番組があるっていうのがあれば、それを聞いてリスナーもDJとともに成長することができる。HouseにもHip Hopにもトレンドがあるし、繋がるものが必要だと思って作ったんです。他にもメディアは沢山あるんですけど、他とうちが違うのは、うちはDance Musicにしか特化していません。そこはこだわっていて、もう一つこだわってるのが、スポンサーベースではあるんですが、レコード会社はスポンサーは受け付けてないんです。なんでかっていうとレコード会社をスポンサーにつけてしまうと、「これかけて」って言われるとかけなくてはならなくなってしまう。別にいいんです、DJが突拍子もない曲をかけたければそれをかけるのがリアルだから。だけどかけたくない曲をかけるのはよくない。ただレコード会社と悪い関係でいるとかではなくて、むしろすごいいい関係でやらせてもらっていて、要はお金の関係じゃなくて、僕らがいいと思ったものをかけさせてもらうっていう。そして現場のものをどんどん発信していくっていうことを大切にしています。
Dance Musicって日本ではマイノリティーになっているからすごい難しいものだと思われているけど実はそんなことなくて、みんながPartyする音楽だと思うんです。Hip Hopだってシャンパンもって「いぇーい」ってなったりとか。その中にリリシズムとかアティテュードとかっていうアートな要素はもちろんあるんですけど、みんなが楽しめるものだと思うんです。Drum & BassとかTechnoでもそうだし、楽しいからみんなやってるもので決して難しい音楽じゃないと思うんです。そういったものをピッとサイトに入ってBGMに使ってもらっても結構ですし、ちゃんとしたサウンドシステムで聴いてもらえるのが一番美味しい食べ方(聴き方)なんですけど、みんな好きな楽しみ方して、そこからまたどんどんCLUBにくる人があつまってくれればなぁという風に感じてやっています。

■ NORTH NAVIをご覧の皆様に一言お願いします。

志を持った人たちが集まると必ず何か化学反応が起こって、面白いことが起きる時代だと思うんです。昔は巨大産業しか大きなことを起こせないっていう時代だったんですけど、今までのノウハウとかやり方が通用しなくなってきている時代だから不況でいろいろと大変ですけど、逆に志を持って何か新しいことをやろうとしている人たちにひょっとしたら大きなチャンスが訪れているんじゃないかなって。ブレずにやっていけば何かが変わっていく時代だと思うんです。僕の収入が一番多かったときって10年前とか経済が良かったときなんですけど、今の方が全然楽しいんですね。それは絶対みんな「何かやろう」と思っている人たちはみんな感じてると思うんです。なんか自分を決めつけちゃいけないと思うんです。自分ができることとか日本人ってついつい性質上「謙遜する」とか、そういうのは美徳なのかもしれないけどそういうことじゃなくて、みんな同じ戦場で戦っているっていうのがあると思うんです。この人はメジャーだからだとか、この人はアンダーグラウンドだからとか、そういう時代じゃないし。しっかり自分が自分を出すこと、そしていろいろ知恵を絞っていくこと。小さく自分をまとめずにいろんなものにチャレンジしていける日本にみんなでしていければいいなって思ってます。

 

m-flo「NEVEN」

2013.3.13

CD+DVD RZCD-59269/B ¥3,990(税込)
CD RZCD-59270 ¥3,150(税込)

 

CD TRACK LIST

01. #canuhearthestars?
02. YEAH!
03. TONITE
04. #395days
05. NO WAY
06. Das Dance (Like That)
07. Butterfly
08. #backinbusiness
09. CHANCE
10. One In A Million
11. LOVER
12. #anotherreality
13. FNKY ALGORTHM
14. #NEVEN
15. JOURNEY X
16. TRANSFORMERZ
17. #back2square1

 

DVD TRACK LIST

01. LOVER
02. Live at “Reebok CLASSIC presents m-flo TOUR 2012 SQUARE ONE” (TCY Snippet Edit) including…
03. [sayonara_2012] / Perfect Place / ALIVE / ☆Taku no Android / Lotta Love (THE SUITBOYS Remix) / Never Needed You / gET oN! (THE SUITBOYS Remix) / she loves the CREAM (VIP mix) / come again (HT inspiration Remix) / come again (Drum’n’Bass Remix) / Don’t Stop Me Now / She’s So (Outta Control) / Butterfly / Sure Shot Ricky / RUN / miss you x LADIES / Yesterday / So Mama I’d Love To Catch Up, OK? / let go (VIP mix) / All I Want Is You

 

☆TAKU TAKAHASHI PROFILE.

TAKU TAKAHASHI twitter http://twitter.com/takudj

block.fm http://block.fm

DJ、プロデューサー。1998年にVERBALとm-floを結成。数々のヒットチューンを武器に日本の音楽シーンにインパクトを与える。ソロとしてもCalvin Harris、The Ting Tings、Lady Sovereign、Crystal Kay、加藤ミリヤ、MINMIなどなど数多くの国内外アーティストのプロデュースやRemixも積極的に行っている。2011年11月にダンスミュージック専門のインターネットラジオ局「block.fm」を本格的に立ち上げ、最先端の音楽情報やトップアーティストのDJ MIXなどを発信。2012年、m-floとしては、約5年ぶりにオリジナルアルバム「SQUARE ONE」を発表し、その健在ぶりを強烈にアピールし、さらに個人としてLOUDのDJ人気投票“DJ50/50”の国内の部第1位に選出されるなど、DJとしても益々進化している。2013年3月13日にはNEWアルバム「NEVEN」を発表。

 

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. でかくてまるい。 札幌 バンド とける。

    2020/2/13

    札幌バンドシーンに突如現れたでっかい新人、高校2年生バンドの「でかくてまるい。」のインタビュー

    でかくてまるい。 INTERVIEW 今回、COLONY発の「OSASARU …
  2. real intention

    2020/1/11

    2nd ALBUM「FORECAST」のリリースから約1年半、原点回帰となる新曲「real intention」をリリースしたSAKIのインタビュー

    SAKI INTERVIEW 12月16日に約1年半振りとなる新曲「real …
  3. 麺や椒 ITADAKI 札幌 担々麺

    2019/10/17

    麺や椒|MENYA ITADAKI||2種類の山椒酢が決め手の坦々麺と、厳選された道産素材で作る中華蕎麦

    HOKKAIDO LOVERS no.024 〜麺や椒|MENYA ITADAKI〜 &n…

ピックアップ記事

  1. カレーうどん うろん

    2019-9-17

    カレーうどん うろん||本場の讃岐うどんを使うこだわりのお店

    HOKKAIDO LOVERS no.021 〜カレーうどん うろん〜 週末のランチに、テ…
  2. 札幌 カレー スープカレー Bonanza ボナンザ

    2019-12-17

    ルー&スープカレー Bonanza||札幌駅から徒歩8分・ファイターズ通り沿い、ルーカレーもスープカレーも楽しめるカレー屋さん

    HOKKAIDO LOVERS no.031 〜ルー&スープカレー Bonanza〜 …
  3. 佐藤広大 あい風 KOMA DOGG

    2020-4-24

    佐藤広大 INTERVIEW||EXILE SHOKICHI主宰レーベル「KOMA DOGG」より新曲「あい風」をリリース!

    佐藤広大 INTERVIEW 地元・北海道を中心に活躍するシンガーソングライターの佐藤広大が、EX…
ページ上部へ戻る